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「腸活」というワードがトレンドとなるなど、近年注目が集まっている腸。最近の研究によると、腸の状態が便秘や下痢といった症状以外にも、さまざまな心身の不調を引き起こすことが解明されているそうです。それはもちろん、美容にもつながっていきます。そのため、腸を整えることは、女性の体にとってとても大切なことなのです。そこで今回は、腸の健康を保つために心掛けたいことについて、腸のスペシャリストである森永乳業のマーケティング担当・堀江亮太さんに教えていただきました。
教えてくれたのは…
森永乳業株式会社 営業本部 市乳統括部 堀江亮太さん
2001年入社。全国各地で乳製品を中心とした営業活動に従事したのち、2007年より市乳統括部・市乳マーケティンググループにて、ビフィズス菌などを活用した商品開発業務に携わる。近年は、機能性素材の有効性調査やPR活動、「カラダ強くするヨーグルト」「ビースリー®スマートヨーグルト」などの開発を担当。また、一般のお客さまを対象に、注目が高まる腸内環境やビフィズス菌の紹介も実施している。
特に40代以降になると、便秘に悩まされる方が増えるといわれています。便秘が続くと気分がすっきりしないだけでなく、お腹がぽっこりして膨満感があったり、ウエストがきつくなったり、吹き出物ができたりと、悪いことだらけ。
こうしたトラブルの原因が腸にあることはご存じの方も多いと思いますが、そもそも腸はどういった臓器なのでしょうか?
「人間の体を構成する細胞数は37兆個といわれていますが、大腸にはその数倍、数百兆個もの細菌が棲んでいるとされています。これらの細菌が腸内にびっしりと生息している状態は、まるで植物が群生する花畑の様子に似ていることから、『腸内フローラ』と呼ばれます。
腸の長さは小腸と大腸合わせて約8mで、表面積にするとテニスコート約1.5面分。そこに宿っているたくさんの細菌の重さの合計は1.5〜2kgにもなるんですよ。健康でいるためには腸内細菌との関係性を良好に保っておくことが不可欠なんです」
小腸は食べ物の栄養素を消化・吸収し、大腸は小腸から送られてきた内容物から水分を吸収して便を作ります。こういった本来の腸の機能がうまく働かない…つまり腸内環境が悪いと、私たちの体にどんな影響が出るのでしょうか。
「腸内環境が悪いと便秘または下痢の症状を起こしやすいほか、糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病のリスク、さらには肥満の原因になるともいわれています。
最近の研究の結果、肥満の方は腸内のビフィズス菌が少ない傾向にあることが明らかになりました。また、腸内環境が悪いと腸で発生した有害物質が血液によって全身に回り、それが肌トラブルや疾患などの症状につながるとも考えられています」
「実は、腸内細菌の大半は大腸に棲んでいます。大腸は、口から摂取した食物が体内で最後にたどり着くところ。そのため、腐敗産物や栄養のカスなどが溜まりやすく、日本人女性の死因1位である大腸がんをはじめ、大きな病気になりやすいんです。
また、最近は『糖質制限ダイエット』がトレンドになっていますが、腸内環境のことを考えると、あまりに低糖質に偏ってしまうと腸内環境が悪くなってしまうことも考えられるので、注意が必要ですよ」
最近では「菌活」という言葉もあるとおり、体に有益な働きをする菌を取り入れることが、美容と健康にいいと周知されてきました。
どちらもヨーグルトの表示でよく見かけることから、同じような菌だと思いがちですが、実はその働きは違うそうです。
「ビフィズス菌と乳酸菌の一番大きな違いは、乳酸菌はその名のとおり乳酸を作り出しますが、ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸も作り出すということ。この酢酸が、腸内に悪い菌が繁殖するのを抑える働きをしてくれるのです。
もうひとつ、酸素に強い乳酸菌に対し、ビフィズス菌はとても弱いという違いもあります。そのため、ビフィズス菌は酸素がほとんどない大腸に生息しています。その数は、乳酸菌の数百倍以上といわれていて、ビフィズス菌は大腸に適した菌といえます。
そして、意外と多くの方が勘違いされているのですが、すべてのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではないんです。
ヨーグルト自体が腸にいい作用を及ぼすことは間違いありませんが、せっかくならビフィズス菌入りの物をとることをおすすめします」
乳酸菌やビフィズス菌といった腸にいい菌をとることで、腸内環境が変わってくるんですね。では、腸内環境の良し悪しは、どのように決まるのでしょうか。
「そもそも腸の中には、『善玉菌』と呼ばれる体にとっていい菌と、『悪玉菌』と呼ばれる悪い菌の両方が存在しています。
その割合は、一般的に善玉菌が2割、悪玉菌が1割なんです。残りの7割は『日和見菌』といわれ、実はこの日和見菌こそ、腸内環境を左右するカギになってくるんです。
というのも、日和見菌は勢力の強いほうに加勢するという作用を持っているため。日和見菌を味方につけるためにも、善玉菌の割合を増やすことが重要なんです」
しかし、たくさんの種類が販売されているヨーグルトの中から、どれを選べばいいのかわからないという方もいるでしょう。
「乳酸菌、ビフィズス菌といってもさまざまな種類がありますので、自分に合った物を選ぶといいと思います。例えば森永乳業では、ビフィズス菌では『ビフィズス菌BB536』や『ビフィズス菌B-3』、乳酸菌では『シールド乳酸菌®』といった独自の菌を持っていますが、それぞれ異なる特徴と効果があります。
ビフィズス菌BB536 ビフィズス菌B-3
『ビフィズス菌BB536』は生きたまま大腸に届き、酢酸などの短鎖脂肪酸を産生することで腸内環境を整えます。
一方、『ビフィズス菌B-3』は腸管のバリア機能を回復させる力があり、体脂肪率を減らす効果があることが明らかになっています。
そして、『シールド乳酸菌®』は体を守る力をサポートします。
こうした効果を体感していただくには、最短でも2週間程度続ける必要があるといわれています。ビフィズス菌や乳酸菌は薬ではないので、即効性というより、少しずつ改善していくというイメージ。毎日30g(大さじ2杯)程度で構いませんので、とにかく続けていただくことが重要です」
カラダ強くするヨーグルト(宅配専用)
ラクトフェリン、ビフィズス菌、シールド乳酸菌のトリプル素材の力でカラダを強く。さっぱりした味わいで、毎日お召し上がりいただけます。さっぱりとしたのど越しのドリンクタイプのヨーグルトも。
ビースリー® スマートヨーグルト(宅配専用)
数千種類の中から選び抜いた特許成分「ビフィズス菌B-3」を配合!スマートな毎日を応援するヨーグルトです。
森永カルダス(宅配専用)
カルシウム、ビフィズス菌、鉄分、ビタミンDが1本で効率良く補える特定保健用食品。乳脂肪分を約43%カットしながらも、濃くておいしい人気の商品です。
もちろん、ヨーグルト以外の食品から摂取しても大丈夫とのこと。
「ヨーグルトが苦手という方はサプリメントを利用してもいいですし、納豆やキムチ、味噌などの発酵食品をとるのもいいと思います。最近の研究では、菌の種類を多く保有している方のほうが健康であることが明らかになりつつあるんです。ですから、日頃からバランスのいい食事を心掛けて、さまざまな食品から幅広く菌活、腸活することをおすすめします!」
Text:EDIST.+one編集部
取材・文/EDIST. +one編集部
画像出典:EDIST. CLOSET
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