EDIST. +one
普段のお洗濯方法にあまり自信がないという方に向けて、最低限これだけ押さえればOKというおしゃれ着洗いのポイントを、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんにレクチャーしていただく特集の後編!
前編では、新しい洗濯表示の見方を中心に、お洗濯の「準備」についてお伝えしましたが、後編は実際におしゃれ着の「洗い方」をご紹介します。
汚れの目立つ衣類の前処理の仕方のほか、洗濯機/手洗いで洗う場合のポイントと干し方についてご説明いただきました。
▶︎前回の記事はこちら
ライオン株式会社 お洗濯マイスター 大貫和泉さん
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に携わって約20年。ライオン快適生活研究所が暮らしに役立つ生活情報を提供するメディア「Lidea」にて、主婦・母親・女性の目線で、日々のお洗濯に役立つ情報をお伝えしています。
【前編】でもご紹介したとおり、お洗濯の際はまず洋服の洗濯表示を見て
・家で洗えるのか
・洗濯機で洗うべきか
・手洗いにするべきか
以上3ポイントを確認しましょう。
「衿・袖口などの汚れには、おしゃれ着洗剤の原液を直塗りして洗剤キャップの底で軽く叩きましょう。また、食べ物のシミや黄ばみには、液体酸素系漂白剤を直に塗ってください。液体酸素系漂白剤の中には、シミ・食べこぼし用の塗りやすく、シミの部分をトントン叩けるヘッドが付属した商品もあります。生地を傷めない仕様になっているのでおすすめですよ」
なお、いずれの場合も洗剤・漂白剤をつけた箇所を揉んだり擦ったりするのは厳禁だそうです。
汚れの種類によって前処理の仕方が異なりますので、細かく見ていきましょう。
◆皮脂や汗、化粧品などの汚れ
汚れが気になる部分に直接おしゃれ着洗剤を塗布。
◆泥
汚れている部分におしゃれ着洗剤を塗布したあと、水で予洗いするか洗濯機で洗濯しましょう。
最初に水で予洗いをするのはNG! 繊維の中に泥が入り込んで落ちにくくなってしまいます。
◆血液
40℃以下の水ですすいだあとに、液体酸素系漂白剤やおしゃれ着洗剤を塗布しましょう。
水温が高いと、血液中のタンパク質が固まって取れなくなってしまうので注意!
「ここでもやはり揉み洗いと擦り洗いはNG。ニット系は縮んだり、毛羽立ったりするので特に注意が必要です」
<おすすめおしゃれ着洗剤>
アクロン フローラルブーケの香り(左)、ナチュラルソープの香り(右)
洗濯ダメージを防ぎながら、洗うことで着用ダメージをケアして整え、大切な服のきれいな状態を保つ
<おすすめ液体酵素系漂白剤>
ブライトW
「漂白パワージェル」で頑固な汚れ残りも防ぎ、白さが長続き
「洗濯機で洗う場合、衣類を傷めないよう上手に活用したいのが洗濯ネット。アイテムの大きさに合わせ、いくつかのサイズのネットを用意しましょう。ネット1枚に入れる衣類は1枚が基本ですよ」
「通常、大(約35cm×50cm)・中(約30cm×33cm)・小(約20cm×20cm)のサイズをそろえておくと便利です。ジャケットやスラックス、スカート、トレーナー、セーターなどは大。ワイシャツやTシャツ、ブラウス、キャミソール、ショーツやガードル、靴下などは中。ストッキングやタイツなどは小を使用しましょう。ネットはメーカーによって多少大きさが異なるかもしれませんが、上記のサイズを目安として覚えておけばOKです。さらにブラジャーやブラトップを洗濯機で洗っている方は、ブラジャーやブラトップ専用のネットもあるといいですね。きちんとたたんでからネットに入れることで、型崩れ・洗濯じわが防止できます」
「おしゃれ着の場合、標準コースで洗濯をすると縮みや型崩れを起こす可能性があります。Tシャツでさえ意外と縮んでしまうこともあるので、大切な衣類は可能な限りやさしいコースで扱ってください。プリントがある物、装飾のある物は衣料を裏返すことを忘れずに。ネットを使用する際も同じです。また、ニットだけは洗濯表示に『標準コースで洗える』マークが付いていても、手洗いコースやおしゃれ着コースといった優しい水流のコースで洗うことをおすすめします」
標準コースでお洗濯したニット(左)、手洗いコースでお洗濯したニット(右)
「手洗いの場合は、まず洗濯おけなどに30℃以下の水をはり、おしゃれ着用洗剤を適量入れた洗濯液を作りましょう。ちょうど、人間の肘部分の温度が30℃くらいといわれているので、お湯に自分の肘を浸して熱すぎない温度かをチェックしてみてください。その後、必要に応じて前処理を行ったニットをたたんでやさしく押し洗いし、すすいで脱水を行いましょう。
~手洗い時のニットのたたみ方~
ニットを手洗いする際は、たたんだ4隅の角を10回ずつ、真ん中を10回、計50回程度押して洗う『押し洗い』、袖口を手でつかんでは離すグー・パーの動作を10回程度繰り返す『つかみ洗い』が基本。押し絞ったあと、すすぎはきれいな水で2回、『押し洗い』と同じ要領ですすいで。
その後、乾いたバスタオルにニットをはさんで、上から軽く押して水分を取り除くタオルドライ、もしくは洗濯機で脱水を行いましょう。
なお、洗濯機で脱水を行う際は最短時間にセットしましょう。
押し洗い つかみ洗い
「シワ加工のある物、シフォン素材の衣類や薄手のストールなどの薄手織物の場合は、先ほどと同じ要領で洗濯液を作り、衣料をそのまま入れてやさしく手洗いしてください。
たたまずに入れるのがポイントです。薄手のものは『寄せる』『離す』の動作を40回程度行う、『アコーディオン洗い』が基本。すすぎは、押し絞りで脱水したあと、厚手衣料の場合と同様にきれいな水で2回、洗う際と同じ要領で行ってください。最後はタオルに挟んで上から軽く押すタオルドライをして終了です」
すすぎのまえに押し絞りで脱水 最後はタオルに挟んでタオルドライ
「ニットの場合は、脱水したらたたんだまま軽く叩いてシワを伸ばしたあと、広げて編み目を整えます。ハンガーに吊るすと肩や袖が伸びてしまうので平干しがおすすめですが、難しい場合は竿に掛けて干しましょう。袖が伸びないように身頃といっしょに竿に掛けるのがポイントです。ニットはとにかく伸び縮みしやすいので、取扱い注意! 陰干しで干すことも忘れずに。
平干し 物干し竿の場合
ハンガーにかける
また、薄手織物のスカートはタオルで脱水したあとに軽く引っ張って伸ばし、筒状になるようにして日陰で干します。
ピッピッと軽く引っ張って伸ばす
筒状になるようにして陰干し
ジャケットは、型崩れしないように厚みのあるハンガーに掛けて干します。もし、厚みのある物がなければ、ハンガーにタオルを巻いた物で代用しましょう。パンツやスカートは筒干しに。ジャケットの袖口やパンツの裾にタオルを丸めて入れ、重石代わりにするとさらにシワになりにくいですよ」
ジャケットは袖口にタオルを丸めて入れます。厚みのあるハンガーがない場合はハンガーにタオルを巻いて代用。
パンツは裾にタオルを丸めて入れ、筒状に干してください。
「シャツは干すまえに両肩を持って振りさばきます。ハンガーに掛けたあと、斜め→縦→横方向に軽く引っ張って形を整えて干しましょう。また、部屋干しする際は襟を立て、ボタンを外しておくと早く乾いて部屋干し臭が抑えられますよ」
ハンガーに掛けたあとは、斜め→縦→横方向に軽く引っ張って形を整えて。
せっかくのおしゃれ着も、丁寧に取り扱わなければ台無し!
正しい知識を身に付けて美しく保ち、少しでも長持ちさせることができてこそ「真のおしゃれ」といえるのではないでしょうか。
ここでご紹介したおしゃれ着洗いの基本を参考に、ぜひトライしてみてください!
Text&取材:EDIST.+one編集部
取材協力:ライオン株式会社
◆”夏の着こなし”についてのお役立ち記事
取材・文/EDIST. +one編集部
画像出典:EDIST. CLOSET
まだデータがありません。