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乾燥する冬の季節は静電気が多く発生して、何かと厄介ですよね。スカートが脚にまとわりついたり、ニットを脱ぎ着するときにパチパチと電気が走ったり――静電気が起きるのは仕方ないことではありますが、それを気にしてファッションを楽しめなくなってしまうのは残念です。
そこで今回は、静電気を気にせず冬のファッションを楽しむために、静電気を抑える方法や静電気が起きにくい衣類の組合わせについて、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんに教えていただきました。
ライオン株式会社
お洗濯マイスター 大貫和泉さん
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に携わって約20年。ライオン快適生活研究所が暮らしに役立つ生活情報を提供するメディア「Lidea」にて、主婦・母親・女性の目線で、日々のお洗濯に役立つ情報をお伝えしています。
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湿度が低くなる秋から冬にかけて、静電気が一番起きやすくなる時期。なぜ、乾燥していると静電気は起きやすいのでしょうか?
「湿度が低いと、静電気を逃がすために必要な水分が少なくなるので、電気を帯びた物体から電気が逃げづらくなり、静電気が発生しやすいのです。物体には、プラスのイオンとマイナスのイオンが同じ数だけあります。
歩いたり体を動かしたりすることで洋服の生地同士がこすれ、隣り合った生地同士でマイナスイオンが相手側に移動してしまうことがあります。
プラスマイナスが同じ数であれば電気は帯びませんが、どちらかが増えたり減ったりすることで電気を帯びるようになります」
湿度が高ければ水分が多いので電気は逃げやすくなりますが、乾燥していることでそのまま帯電した状態が続きやすくなってしまうのだそう。
「帯電状態で物質同士を引き離すと、プラスマイナスの電荷のあいだの距離が遠くなり、電圧が高くなって放電する。これが、静電気の起きるしくみです」
帯電は物質の摩擦によって起きてしまうため、洋服同士がこすれる部分は特に静電気が発生しやすくなります。そこで、静電気を防ぐためには、どのような対策をすればいいのでしょうか?
静電気専用のスプレーは、衣類にスプレーすることで簡単に静電気を防げます。スプレーされた部分は、特殊な水の層ができることで静電気の発生を防ぐとともに、瞬時に電気を逃すアースの役割を果たすそう。
「生地同士がよくこすれる部分、つまり電気が溜まりやすい部分にもスプレーすることがポイントです。例えば、カバンによってすれるコートやニットの脇から腰にかけて、スカートの手脚がこすれる部分などは表裏を念入りにスプレーしましょう」
ジャケットやスカートは、全体にまんべんなく10秒くらいスプレーするのが目安。スプレーの効果は、次に洗濯するまで持続しますが、効果が薄れてきたときにスプレーし直せば、さらに長持ちします。コートや車のシートなど、洗濯しにくい物でも、静電気が防げるので便利ですね。
ただし、衣類を着用中にスプレーするときは要注意。着用している衣類には、必ず自分でスプレーをすること。他人がスプレーすると、まれに静電気火花が発生して衣類を焦がすことがあるそうです。注意事項をよく読んでから、使用するようにしましょう。
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スプレーするだけで衣類・布製品のパチパチやまとわりつき、ホコリ・花粉の付着を抑える、衣類の静電気防止剤。
毎日の洗濯に柔軟剤を使うことも、静電気防止には有効です。
「柔軟剤を使うことで繊維同士の滑りが良くなり、静電気の発生が抑えられます。また、繊維の表面に電気を外に逃がす層もできるので、衣類に静電気が溜まりにくくなります。自宅で洗濯できる服は、柔軟剤を併用してお洗濯しましょう」
大抵の柔軟剤には静電気を防ぐ効果があるそうですが、購入する際には、念のため静電気防止効果がある製品であることを確認してから購入するといいでしょう。
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衣類は、さまざまな素材でできています。生地にはマイナスに帯電しやすい、プラスに帯電しやすいといった特徴があり、その相性によって静電気を起きにくくすることができるそう。
※絹・レーヨンは逆になる場合もあり
「例えば、アクリルとナイロンなど、プラスとマイナスが離れた位置にある物の重ね着ほど、帯電しやすい組合わせになります。ナイロンとウール、アクリルとポリエステルといったように、プラス同士、マイナス同士の電列が近い素材の服の重ね着であれば、電気は溜まりにくくなります」
一方、マイナスにもプラスにも帯電しづらい物があるのだとか。
「綿や麻などは、吸湿性が高いこともあり、帯電しづらい素材です。例えば、ウールのセーターの下に綿のシャツを着るといったように、帯電しづらい素材を合わせることで、静電気を防ぐことも可能です」
具体的に、静電気が起きにくい衣類の組合わせを見ていきましょう。
ナイロンのタイツ×ポリエステルのスカート
ウールのニット×裏地がポリエステルのコート
プラスに帯電しやすいナイロンのタイツとマイナスに帯電しやすいポリエステルのスカートは、帯電列が離れているため静電気を起こしやすい組合わせです。また、ウールのニットと裏地がポリエステルのコートも、同じく帯電しやすく静電気を起こしやすい組合わせといえます。
ウールのマフラー×ウールのニット
ポリエステルのジャケット×綿のTシャツ
ウールのマフラーにウールのニットなど、同じ素材同士は同じ帯電列にあるため、静電気が起きにくい組合わせといえるでしょう。ほかにも、ポリエステルのフリースの下に、綿の長袖Tシャツなどを重ね着することで、静電気が起きにくくなります。
冬だから仕方ない…とあきらめていた人も多いかもしれませんが、静電気は防げるんです!
静電気防止スプレーや柔軟剤を利用するほか、静電気が起きない素材の組合わせを意識するのも手であることがわかりましたね。これで、存分に冬のおしゃれを楽しみましょう!
Text:EDIST.+one編集部
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取材・文/EDIST. +one編集部
画像出典:EDIST. CLOSET
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